畏怖
今日は突然だけど、怖いものについて語ります。
俺の人生の敵。こいつを挙げないわけにはいかない。
蜘蛛。もう文字にするだけでも怖い。クモ。くも。
カタカナも漢字もひらがなもだめだ。書いててむずむずするが、本記事を終えるまでの辛抱だ。
よく〇〇恐怖症というが、俺はまさに蜘蛛恐怖症なのだ。(医学名ではアナクロフォビアという)
あいつらは本当に俺の人生の敵である。やつらさえいなければもう少し夏を好きになることができたであろう、というくらいに嫌いだ。
幼少時代のトラウマがついて離れないのだ。おそらくその体験のせいで苦手になったんだと思い込んでいる。
まだ仙台に住んでいた頃。小学一年生だった俺はそもそもクモというものを恐らく見たことがなかった。
ある日の「生活」という授業の時間。(今思えば生活って授業名やばくね)
生活の教科書を開いていた。すると隣の女子が「教科書の後ろにクモついてるよ」と言ったのだ。
その時点では「んー?どれどれ?」くらいの好奇心しかなかった。だってクモなんて知らなかったからね。
ところが教科書の裏をのぞいた時、目に飛び込んできたのはどこからどう見たって普通の生き物じゃない、化け物だった。
自分がチビだったからデカく感じたのかもしれないが、500円玉の1.5倍くらいの大きさの、真っ白いクモがひっついていたのだ。
言うなれば、映画「エイリアン」に出てくる、あの幼虫エイリアンのようだった。
俺は机も椅子も吹っ飛ばして、教室から逃げ出した。その後の記憶が曖昧だが、確か松田君ってやつが退治してくれたはず。
もうその日からクモ恐怖症デビューだ。皮肉なことにやつはまさしく「生活」のいたるところに潜んでいる。
そしてやつの存在を感じ、見かけるたびに心拍数が上がり、異常なほどに神経過敏になる自分がいるのだ。
朝グモがどうとかって話聞くけど、俺にとっては24時間365日、あいつは悪魔でしかないのだ。
かゆい。
麓